G7サミットにちなんだ給食の取組みは、「G7広島サミット応援献立」として、日替わりで参加国の料理を子供たちに味わってもらおうという、広島県廿日市市のような例もあります。市内の各地域によって出される日や内容は異なるものの、サミット前後の2~3週の間に7カ国すべての料理が用意されたため、献立表を眺めるだけでも世界を旅する気持ちになります。バラエティ豊かなそれらの献立のなかから、今回はフランスをテーマとした日の主菜「チキンフリカッセ」にフォーカスをあてます。「フリカッセ」とは、フランスの伝統料理で、「白い煮込み」という意味があります。焼いた鶏肉と、ニンジンやタマネギ、マッシュルームなどの野菜を炒めた後にクリームで煮込んで作られます。白い煮込み料理といえば、シチューを思い浮かべますが、大きな違いは肉を焼いてから煮込むかどうかということで、焼いた肉はうま味が閉じ込まれているため、肉をおいしく味わうのならフリカッセの方が向いているということです。また、フランスには「白い仕上げ」を意味する「ブランケット」という同じような料理がありますが、こちらもシチュー同様、具材を炒めずに煮込む点で違いがあるようです。本場のフリカッセは、鶏肉の代わりに牛肉や羊肉、山羊やウサギの肉を使うこともあるそうです。また、エビやホタテ、白身魚などの魚介類を使ったフリカッセもあるということ。現地ではバターライスが付け合わせによく出されるようですが、日本的な感覚だと、白いご飯にかけて食べるのも良いかもしれません。フリカッセが出された日の廿日市市の給食では、その他のメニューとして、フレンチサラダにバターパンが添えられていました。