富山県と石川県で行われたG7教育相会合をきっかけとして、富山県でも7カ国の料理が日替わりの献立として登場しました。今回はその中からイギリスをテーマにした給食を献立作りに当たっての苦労話とともにご紹介します。市教委の栄養管理士と栄養教諭が献立の検討を始めたのは、2022年の秋から。最初にイギリスを代表する料理として考えたのが、「フィッシュ&チップス」だったそうです。白身魚のフライにフライドポテトを組み合わせたこの料理は、どうしても脂が基準値を超えてしまうため、早々に断念。次に思いついたのが、イギリスを代表する卵料理の「スコッチエッグ」でした。スコッチエッグは、ゆで卵をひき肉とパン粉で包み、焼くか揚げるかして作られる料理ですが、鳥インフルエンザの拡大によって卵の食材費が高騰したため、これも断念し、卵を使う量が少なくて済む「オムレツ」に切り替えたそうです。もう一品の「英国風カレースープ」ですが、本場イギリスでは「マルガトーニ」と呼ばれている伝統的なスープです。マルガトーニとは、南インドのタミール語で「こしょう水」という意味です。肉や野菜にコショウなどを加え、カレー味に仕上げたこのスープは、19世紀後半のヴィクトリア朝時代に生まれたとのこと。当時、インドはイギリスの植民地で、イギリス人に仕えていたインド人の料理人が、ご主人様のリクエストに応えて作ったのが始まりだと言われています。カレー味でありながらもイギリス料理なのですが、イギリスのインド料理店にはどこでも大体置いているそうです。このスープを出すことに決めたのも、試行錯誤の結果だとのことですが、最後は子供達の好きなカレー味が決め手になったようです。イギリスの給食では、その他に「紅茶ムース」のデザートが付きました。