まわりを海に囲まれた日本列島では、古代から豊富な海の恵みを得てきましたが、そのうちのひとつに海藻類があります。ひと口に海藻といっても、その種類は様々で、日本近海には1,500を超える種があると言われています。海藻類は大きく「緑藻類」「褐藻類」「紅藻類」の3つに分けられ、それぞれに特徴があります。3種のうち、最も浅い海で採れる緑藻類は鮮やかな緑色が特徴で、アオサやアオノリがその仲間です。もう少し深い海には、昆布やワカメ、ヒジキなどに代表される褐藻類が生育していますが、全体的に大型の種類が多いことが特徴です。さらに深いところには、テングサやアサクサノリ、フノリなどに代表される紅藻類があり、紅い色をしているものが多いのは、深い海で光合成をするための色素が関係していると言われています。海藻類は、種類によって異なるものの、人体に必要な鉄分やカルシウム、ヨウ素などのミネラル分のほかに、ビタミンや食物繊維などを豊富に含んでいるため、健康維持や長寿につながる食べ物として、近年のヘルシーブームとともに注目されています。食べ方や調理法は、その種類によってさまざまですが、学校給食では、独特の食感も楽しめる塩蔵の海藻を使って、みそ汁やスープ、和え物の具材にするほか、ミックス海藻を使った海藻サラダが人気の献立として提供されています。もずくの消費量・生産量ともに日本一の沖縄県では、給食に出される「もずく丼」が大人気です。こちらは生のもずくを使用するところがポイントで、炒めた豚肉や野菜とともにさっと火を通してご飯にかけた丼のため、もずくのシャキシャキとした食感が楽しめるとともに、ショウガ(汁)によって臭みも消され、小さな子どもたちにも食べやすいように工夫されています。