えだ豆は、大豆を未熟なうちに収穫したもので、枝についたまま収穫するため「枝豆」という名がつけられました。原産地は東アジアで、大豆そのものは中国で紀元前2000年頃から栽培されていましたが、えだ豆として食べられるようになったのは、17世紀末と言われています。江戸時代の街なかには、枝についたまま茹でた豆を売り歩く「枝豆売り」が現れ、人々は枝付きのまま買って食べ歩いたようで現代のスナック菓子のような存在だったと考えられています。主な産地は北海道から東北、関東一円にまで広がっていますが、初夏になると店頭に色々な枝豆が並ぶように、専用の品種が多数開発されており、現在では400種以上の枝豆があると言われています。また、中国や台湾、タイなどでも作られており、冷凍すれば味が落ちないため、冬から春にかけては、それらの国々からの冷凍枝豆も多く輸入されています。枝豆は、成熟途上の大豆ではありますが、豊富な栄養素を含んでいる上に茹でただけで食べる事が出来るため、その栄養素を効率的に摂取することができます。また、大豆にはない栄養素も含まれており、特に体内でビタミンAに変わるカロテンは、大豆の約40倍と豊富で皮膚や粘膜の免疫を上げるのに役立つほか、目の健康を維持するのを助ける効果もあります。また、こちらも大豆にない栄養素であるビタミンCは、肌の新陳代謝を助けるなどの効果がありますが、サヤごと茹でることでその流出を防ぐことができるという大きなメリットがあります。福岡市の学校給食では、高野豆腐を中心にニンジンや玉ねぎ、シイタケなどの野菜と鶏肉やうずらの卵、むきエビなどを使った「高野豆腐の八目煮」が出されていますが、そこに冷凍のむきえだ豆を加えることで、見た目の華やかさとともに栄養価アップを図っています。