文部科学省技術・学術審議会資源調査会は、「日本食品成分表2020年版(八訂)」を公表しました。八訂では、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)アミノ酸成分表編」「同脂肪酸成分表編」「同炭水化物成分表編」の3冊も同時に公表して合計4冊から構成されています。食品成分表の改訂は5年ぶりであり、「調理済み食品の情報の充実」や「炭水化物の細分化とエネルギー計算方法の変更」など全面的見直しが行われ、収載食品数は2,478食品(2015年七訂は2,191食品)と増えました。このうち「炭水化物の細分化とエネルギーの算出方法の変更」については、アミノ酸、脂肪酸、単糖類、二糖類、でん粉等からの算出に変更されました。これまでの成分表の「炭水化物」は、ヒトにおける消化性が低い食物繊維や糖アルコールから、消化性が高いでん粉、単糖類、二糖類までの多様な成分を含んでいましたが、糖類の摂取量・摂取エネルギーを正しく把握するためには食品毎の炭水化物の内訳を示すことが重要です。このため、成分表2020年版では、これまで炭水化物に含まれていた「でん粉と糖類(利用可能炭水化物)」と「食物繊維総量」、「糖アルコール」等を本表に収載しています。また、成分表2010年版以降に蓄積してきた、実測できるエネルギー産生成分の分析による成分値の蓄積を推進し、成分表2020年版では、エネルギー産生成分の実態をより正確にとらえることが可能な組成成分をエネルギー算出の基礎とする方式を採用。食品のエネルギー値の確からしさを向上させました。なお、「エネルギーの算出方法の変更」については、これを受けてエネルギー値が下がる食品が多いことが明らかになっています。消費者庁によるエネルギー値等の算出方法の整合性についての調査事業が行われる予定であり、新しい食品成分表の本格活用には数程度の移行期間があるものと見られています。