2022年のサッカー・ワールドカップは、中東のカタールで行われます。暑さ対策のため冬季の開催となり、11月21日に開幕します。カタールの首都はドーハで、30年近く前の話になりますが、1994年の米国開催ワールドカップの出場を目指す日本チームが終了間際に同点ゴールを入れられ、予選敗退となった有名な「ドーハの悲劇」の地でもあります。国土の大半が砂漠であるカタールの料理は、本来の砂漠民族としての伝統料理に他のアラブ諸国の要素が加わり、さらにインド料理などの影響を受けたものとなっています。主食は別名モロッコのパンとも呼ばれる「ホブス」という名の薄いパンで、野菜や豆を煮込んだ料理をこのパンでスプーンのようにすくって食べます。「ファトゥーシュ」という生野菜サラダにクルトンがわりにして使うこともあります。このホブスとよく一緒に食べられる料理に「フムス」があります。茹でたヒヨコ豆にゴマペーストやニンニク、オリーブオイル、レモン汁と塩を加えて作るいわゆるディップで、日本人の味覚にも合います。その他、クウェートやバーレーンなどの湾岸諸国でも良く食べられている炊き込みご飯「マクブース」もあります。この料理は色々なスパイスを加えて炊いたご飯の上に、羊や鶏などの肉かエビや魚などのシーフードをのせたもので、カレーのような風味もあり、ここにもインド料理の影響を感じさせます。肉料理にはアラブ諸国全般で食べられている有名な「ケバブ」がありますが、ケバブとはローストした肉や野菜などの総称。現地の人々が好んで食べている肉料理のひとつに「シャワルマ」があります。焼いて薄くそぎ落した肉を重ね、パンで焼いたもので、サンドウィッチ感覚で食べることができるため人気があります。