クリスマスが近づくと、スーパーの果物コーナーにはイチゴが並びはじめます。これは、最もポピュラーなクリスマスケーキがイチゴのショートケーキということもあり、イチゴがクリスマスにふさわしいフルーツの代表格にされているためだと思われます。ただ、本来のイチゴの旬は冬ではなく春から初夏で、クリスマスシーズンに売られているイチゴは、大型の暖房器具や2重ハウスなど様々な環境制御が施された結果に収穫されたものであるという理解は必要に思います。近年、各地のイチゴ産地では競うようにオリジナル品種を開発しているため、市場にはたくさんの品種が並ぶようになりました。「あまおう」や「さちのか」、「とちおとめ」など代表的なもの以外に、「パールホワイト」や「ミルキーベリー」などの白イチゴも珍しくなくなりつつあります。イチゴに含まれる栄養素には、風邪の予防や疲労回復、肌荒れなどに効果があるビタミンCが多く含まれています。このビタミンCは、品種によって量の違いがありますが、農研機構の資料によると、100gあたりの平均的なビタミンC含有料は「とよのか」が54mg、「さちのか」が68mgであるのに対し、「おいCベリー」という品種には87mgも含まれており、7粒程食べれば成人が一日に必要とされるビタミンC量100mgがまかなえることになります。また、イチゴの赤い色素成分はアントシアニンというポリフェノールの一種で、眼精疲労回復や視力回復に有効とされるほか、活性酸素を減らし、がん予防にも効果があるといわれています。このアントシアニンの含有量も品種によって差がありますが、赤い色が濃いものほど多い為、赤い色素の少ない白イチゴは、当然アントシアニンも少ないということになります。