9/1の防災の日に、給食で「すいとん」をメニューにして提供するという動きは、かなり定着してきたように思われます。なぜこの日にすいとんなのか、もう一度おさらいしておきますと、9月1日は関東大震災が起こった日(1923年)であり、それにちなんで、政府が防災の日として定めたことにあります。大震災直後は、食料物資が不足したこともあり、首都圏では「すいとん」を食べさせる屋台が多数出現したそうです。さらに毎年この時期は、台風の多い季節でもあり、全国各地で防災訓練などが行われ、防災意識を高めようということで、非常食の代用食でもある「すいとん」が食べられるようになったというわけです。漢字で「水団」と書かれるすいとんの記録は、古く南北朝時代まで遡ることができますが、現在のように小麦粉を原料としたものは、江戸時代に生まれて広まったと言われています。鶏肉や野菜類を加えれば、栄養バランスのとれた汁となります。ところで、すいとんという呼称、実は地域によって別の呼び方があります。Jタウンネットの調べによれば、東北地方では「ひっつみ」や「はっと」、石川県と九州の福岡県と佐賀県以外の地域では「だご汁」、佐賀県と中国地方及び愛媛県では「だんご汁」その他「とっちゃげな」や「ひんのべ」などと呼ぶ地域もありますが、いずれもなんとなくイメージが伝わってくるのが面白いところと言えましょう。また、呼び方のバリエーションとともに、入れる具材も地域によって様々で、みそを使うか使わないか、だしを何でとるのかなどの違いもあり、郷土色を感じさせる料理となっています。
