秋の気配が深まるとともに、暖かい汁物が恋しくなるものですが、この季節を代表する汁のひとつに、「きのこの吹き寄せ汁」があります。山の実りの代表格ともいえるきのこをふんだんに使い、肉や秋野菜もたっぷり入れた吹き寄せ汁ですが、この「吹き寄せ」には二つの意味があることをご存知でしょうか?そのひとつは、多くの方が思いつくように、風で吹き寄せられた色とりどりの落ち葉のごとく、秋の味覚を盛り合わせたというもの。そしてもうひとつは、「無頼漢」の集会所または、その一味徒党が集まることを指すという意味があるそうです。鍋で作ることの多い吹き寄せ汁ですが、無頼漢たちがそれぞれ獲物(具材)を持ち寄り、大きなひとつ鍋を囲んで宴会をしているというイメージにつながるのは、とてもユニークに思います。吹き寄せ汁によく使われるきのことして、マイタケ、ブナシメジ、ナメコ、エノキなどがありますが、それぞれに特徴的な栄養成分を含んでいます。まずマイタケには、他のキノコに比べビタミンDが格段に多いという特徴があります。またブナシメジは、カリウムが他より多く含まれているほか、ビタミンB1も多めです。一方、栄養分に関しあまり特徴のないナメコですが、エネルギーが他のきのこよりも少なめですので、肉類など他でカロリーが確保できている場合は、積極的に使いたい具材になります。またエノキはビタミンB1、ビタミンDとともに食物繊維を多く含むという特徴があります。種類によって含む栄養成分が異なるきのこ類をたっぷり入れ、さらに肉や秋野菜を入れて作る吹き寄せ汁。きのこの持つうま味成分も出ますので、まさに秋を代表する汁といえましょう。
