豚汁といえば寒い冬に飲むというイメージがありますが、色々な具材がバランスよく入っているため、夏バテ気味で食欲がない時の栄養補給にも適しています。ところでこの豚汁、皆さんは「とんじる」と呼んでいますか、それとも「ぶたじる」ですか?住宅地図などでおなじみのゼンリンが全国レベルで調べたところ、北海道と九州のほぼ全域では「ぶたじる」と呼んでいる人が圧倒的に多く、その他には富山県と三重県が比較的多いという結果が出たそうです。また、石川県では「めった汁」、鹿児島県では「薩摩汁」という独自の呼び方をしている地域もあります。面白いのは、この両県とも具材にサトイモやジャガイモではなくサツマイモを使うところが共通しているということ。その地の人々には当たり前のことなのかもしれませんが、ポピュラーな汁のひとつとされている豚汁でも、地域によって使う具材など色々な違いがあるということです。もっとも一般的な豚汁の具材としては、豚肉のほかに、大根、にんじん、ごぼうなどの根菜類とサトイモ(またはジャガイモ)をベースに、コンニャクや油揚げを加える場合もあります。味噌は、どちらかといえば関東では赤味噌、関西では白味噌を使うことが多いようですが、ミックスみそを使うなど、家庭ごとの違いもありそうです。また、例えば「仙台みそ」のように、その地域でよく使われている味噌を用いることも多いようです。地域における特徴的な具材としては、北海道ではバター、長野県などでは酒粕を入れてコクを出すというところもある一方、栄養バランスを考えて牛乳を入れるところもあります。その他、ネギなどの代わりに高知県では地域特産のみょうがを入れたり、九州地方では柚子胡椒を入れるところもあるようですが、夏の暑い時期にさっぱりと豚汁を食べるために、とても良い具材だと思います。