「まめぶ汁」は、岩手県久慈市を中心とする地方の郷土料理です。「まめぶ」とは、くるみと黒砂糖を小麦粉で練った生地に入れて小さく丸めた団子の事で、これを煮干しや昆布でとっただしに、野菜や焼き豆腐、かんぴょうなどの具材とともに煮込むまめぶ汁となります。この地方では、冠婚葬祭や正月の時にふるまわれる行事食で、おめでたい行事の時には大きなまめぶを、弔事の時には小さいまめぶを入れるという決まりがあるということです。尚、弔事の際は、精進料理として煮干しは入れず昆布だけでだしをとることのあるようで、行事食ならではの気の使い方がされています。まめぶの名前の由来は、大きさが「豆粒大」だからという説や、「まり麩」に似ているからという説があるほか、「まめまめしく」健康的に暮らせるようにという願いをこめてつけられたという説もあるようです。この料理が生まれたのには、山間の地方ならではの背景があります。江戸時代、南部藩の領地であったこの地は凶作が続き、多くの餓死者を出したことがありました。それを受けて幕府は藩に対し、凶作に備えて「百姓は麺類やそばきりを食べてはならない」とのご法度が下りました。そのためハレの日の食事でも麺類を作れらくなり、その代用食としてまめぶを作って汁に入れたといわれているそうです。実はこのまめぶ汁、近隣の人々にもあまり知られていないようばローカル食だったのですが、NHkの朝ドラ「あまちゃん」で世に知られるようになったという経緯があります。この地が舞台となったドラマ内で「おかずかおやつか分からない微妙な食べ物」と紹介され、トラマと共に一気に知名度が上がったということです。その後、「久慈まめぶ汁」として、2015年のB-1グランプリで5位になるという輝かしい実績も残しています。
