ご存じの方も多いと思いますが、11月24日は「和食の日」です。我が国の伝統的な「和食」が、2013年にユネスコの無形文化財遺産に登録されたのを契機に、一般社団法人和食文化国民会議が「日本の食文化にとって大変重要な時期である秋の日に和食文化について認識を深め、和食文化の大切さを再認識するきっかけの日となっていくよう願いをこめて」制定したもので、1(い)1(い)、24(にほんしょく)という語呂合わせになっています。同時に、11月24日は「かつお節の日」でもあります。こちらは大手かつお節メーカーが申請・登録したものですが、出汁素材として古くから日本人の食生活を支えてきたかつお節にちなんで、1(い)1(い)2(ふ)4(し)の語呂合わせになっています。和食文化国民会議では「だしで味わう和食の日」として、11月中の1日を学校給食でだしを使った和食献立を出す日とする取り組みを進めていますが、きちんとした「だし」を使った「うま味」を体験することが、伝統的な食文化の保護・継承につながっていくという理念がその背景にあります。一方、子供たちに「だし」をきかせた「本物の味」を知ってもらいたいと思いは、学校給食の現場でも芽生えています。とある学校給食センターの管理栄養士は、そういった思いのもと、それまで使っていた顆粒だしを「削り節」に切り替えられないだろうかと考えました。色々方法を考えた結果、家庭で使うような「だしパック」の大型のものがあればと気づき、メーカーと協力して完成したのが給食用のだしパックでした。添加物を使わず、アレルゲンとなるサバ節を除くなどの工夫がされたフィルターパックですが、「だし」を効かせれば「うま味」が増すため、その分塩分を抑えることができます。「本物の味」を知ってもらうという目的とともに、子どもたちの健康を守るという大きなメリットも生まれたのです。